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道弁連大会

議案第2号(決議)

4会共同提案

精神障がい者の強制入院制度の改革を国に求めるとともに、北海道における 弁護士による退院請求等の支援活動を積極的に推進する決議

  1. 我が国の精神科医療は、精神病床数、精神科病院の平均入院期間等が欧米主要先進諸国に比べ突出して高く、北海道は他の都府県との比較においても、精神病床数が多い。その背景には、いわゆる「社会的入院」の問題があり、本来必要のない入院は北海道内でも相当数生じていると考えられる。
    かかる問題の改善のためにまず求められるのは、地域精神医療体制の充実、精神障がい者の地域生活移行のための施策実現等であるが、国は抜本的な解決策をいまだ示すことができず、精神病床数の削減及び地域生活への移行の実現にはほど遠い状況にある。
  2. また、精神障がい者の強制入院は、人身の自由に対する強度の制約であり、厳格な要件・手続によるべきであるが、現在の医療保護入院を中心とする強制入院制度は医療保護の名の下に安易な入院を許すものであるうえ、退院請求等の審査においても、また、退院請求等の手続における患者の支援という観点からも不十分な制度である。
    すなわち、①現行の医療保護入院は、国連総会決議において示された「精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための諸原則」(以下「国連原則」という。)の原則16に比べ要件が緩やか、かつ不明確であり、判定医を2名でなく1名とする点でも問題がある。また、②精神医療審査会による審査体制に関しては、強制入院の審査には裁判所が関与する国も多いところ、我が国では、裁判所ではなく、都道府県に設置された精神医療審査会が審査を行っており、独立性の点で問題がある。その他、医療保護入院の退院請求の審査結果に対し不服申立ができない点など問題を抱えており、人権侵害の歯止めとして十分に機能しているか疑問である。さらに、③弁護士による退院請求等の支援については、国連原則は資力のない患者に対して国費で弁護人を付けることを求めているが、我が国はいまだ実現できていない。
  3. ところが、本年6月13日に成立した改正精神保健福祉法は、これらの点を改善しないばかりか、保護者の同意に代えて「家族等のいずれかの者の同意」で足りるとするなど、現在より緩やかな要件とするものである。かかる改正は、国連原則に抵触するのみならず、精神障がい者の地域生活への移行をより困難とするものであり、早急に大幅な見直しが求められる。
  4. 一方、我々弁護士は、上記のような制度的問題はあるとしても、人権侵害が生じている現状に対して積極的に活動し、個々の事案において積極的に入院患者に対する出張相談を行い、退院請求等を代理人として支援していかねばならない。
    実際に、これまでの当連合会の弁護士による法的支援によって、医療保護入院をしている患者について交渉のみで退院が実現した事案や、精神医療審査会に退院請求を申立てたところ病院が自主的に任意入院に切り替えた事案も見受けられた。弁護士の法的支援により、身体拘束からの脱却が実現される場合があることを示す好例であり、今後も、入院患者の弁護士へのアクセスを保障すべくさらなる体制の整備を行う必要がある。
  5. ここに、当連合会は、国に対し、地域精神医療体制の充実、精神障がい者の地域生活移行のための施策等を実現するための抜本的な改革を行うよう求めるとともに、精神保健福祉法を直ちに見直し、医療保護入院の要件の厳格化、審査制度の改善、国費による弁護人の選任を実現する制度へと改正するよう求める。
  6. また、当連合会は、北海道において、精神科病院の入院患者が弁護士にアクセスできる制度を整備し、退院請求等の申立の相談・依頼に対し積極的に取り組み、個別の事案につき充実した審査を求めることによって、精神障がい者の法的支援活動を積極的に推進する。
    以上、決議する。

2013年(平成25年)7月26日
北海道弁護士会連合会

提案理由

  1. 1 我が国における精神科医療の現状
    (1)地域において自立し、自分らしく暮らす権利は、憲法第13条、第14条、第22条、第25条、国際人権規約をはじめとする国連人権条約・国連諸原則の要請する基本的な人権であり、障がいの有無にかかわらず、いかなる人にも等しく保障されるべきものである。しかし、我が国の精神科医療は、精神障がい者に対する隔離政策ともいえる入院中心主義から脱却できずにおり、精神障がい者が地域で暮らす権利の保障はいまだ十分になされていない。
    (2) 欧米諸国では、1950年代より精神科病院の長期在院者の退院促進が政策的に行われ、1960年(昭和35年)頃から、精神病床数を激減させてきたが、我が国ではこの流れに逆行して、民間精神科病院の設立が促進され、1994年(平成6年)まで精神病床数は増加を続けた。その後精神病床数は減少に転じたものの、そのスピードは緩やかであり、欧米諸国とは極めて大きな差がある。
    例えば、2009年(平成21年)の人口1000人あたりの精神病床数は、我が国が2.73床であるのに対して、イタリアは0.11床、アメリカは0.25床である。そして、その他の欧米諸国、例えばイギリス、フランス、ドイツ、カナダでは、いずれも、人口1000人あたりの精神病床数は、1床を下回っている。
    (3)また、2008年(平成20年)の精神科病院の平均入院期間は、我が国が年313日であるのに対して、イギリスが年54.1日、ドイツが年24.2日、イタリアが年12.8日、アメリカが年7.2日、フランスが年5.8日であり、入院期間も突出して長いといえる。
    (4)さらに、我が国では、精神科病院の総入院数の40パーセント以上が、医療保護入院をはじめとする強制入院であるが、これに対して、EU 諸国では、強制入院の割合は平均10パーセント台であり、その差は歴然としている。
    特に、北海道は、精神病床数が多いという特徴があり、都道府県別では東京都(2万4265床)、福岡県(2万1548床)に次いで3位(2万1131床)であるうえ、人口当たりの精神病床数も全国で13位となっている(2010年=平成22年厚生労働省医療施設調査)。
    (5)このように我が国において退院が促進されない背景として「社会的入院」、すなわち、医学的には入院の必要がなく、在宅での生活が可能であるにもかかわらず、家族の引き取り拒否等により、病院での生活を余儀なくされているケースの存在が指摘されている。
    この問題に対して、厚生労働省は、2004年(平成16年)に精神保健福祉対策本部が策定した「精神保健医療福祉の改革ビジョン」において、「入院医療中心から地域生活中心へ」というその基本的な方策を推し進め、「受入条件が整えば退院可能な者(約7万人)」の10年後の解消を図り、病床数も見直すとした。その後も、2008年(平成20年)度より「精神障害者地域移行支援特別対策事業」、2010年(平成22年)度より「精神障害者地域移行・地域定着支援事業」、2011年(平成23年)度より「精神障害者アウトリーチ推進事業」等の事業を推進しているが、いまだに精神病床数の削減は進んでおらず、長期入院者の地域移行は実現できていないのが現状である。
    (6)社会的入院の背景には、精神障がい者を支える地域精神医療体制が十分に整備されていないこと、及び地域生活における精神障がい者への支援体制がないこと等がある。具体的には、退院後に患者が有効な治療を継続できるよう訪問看護、アウトリーチ支援、家族支援、救急医療体制の充実を行い、家族以外の受け入れ先の住環境(グループホーム、賃貸住宅)の整備を行うことが求められる。
    (7)以上のとおり、日本の精神科医療の現状は、主要先進諸国と比較して異常な状態にあるが、様々な障壁により抜本的な改革は実現できていない。国においては、社会的入院の問題を早急に解決すべく、地域精神医療制度の充実、地域における福祉的支援の充実、そして、精神疾患に対する意識改革を早急に図るべきである。

  2. 医療保護入院の制度的問題
    (1)上記の社会的入院が解消されない一つの要因となっているのが、我が国の強制入院に関する法制度である。現在、強制入院の制度としては、措置入院、医療保護入院が代表的なものであるが、最も多く利用されているのは医療保護入院である。
    医療保護入院とは、強制入院の一形態であり、保護者の同意があれば、一名の指定医により、①精神障がい者であること、②「医療及び保護」のため入院の必要があること、③任意入院が行われる状態にないことが判定された場合に、患者本人の同意がなくても入院が可能とする制度である。
    しかし、以下に述べるように、現在の医療保護入院とその審査体制は、精神障がい者に対する差別を助長する制度であるうえに、強制入院が、人権、特に人身の自由に対する強度の制約であることを十分に考慮して構築された制度とはいえず、むしろ社会的要因などと相まって長期の強制入院を多発させる温床となっている。
    (2)そもそも、強制入院は、通常、施錠された閉鎖病棟で行われ、刑事手続における拘禁と同じく、人身の自由を制約するものである。その自由を奪うにあたっては十分な手続保障が求められることは当然であり、入院時の審査を公正かつ独立した機関により迅速に行うとともに、入院後においても審査の体制を充実させる必要がある。また、入院の是非のみならず、入院後の病院内の処遇においても可能な限り制約の程度の低い手段によることが強く求められる。これは、人身の自由や適正手続について定める日本国憲法上も要請されているものといえる。
    (3)また、医療保護入院等は前記のとおり精神障がい者のみを対象としており、精神障がい者以外の者を強制入院させる制度はない。医療保護入院等の制度は精神障がい者についてのみ強制的に自由を剥奪し、地域で生活する権利を侵害することを容認する差別的な制度であり、我が国が署名し、批准を予定している「障害者の権利に関する条約」第14条1(b)において、「いかなる場合においても自由のはく奪が障害の存在によって正当化されない」とされていることに反する疑いがある。
    したがって、強制入院の要件は、精神障がい者が地域で生活するための合理的配慮を行うことも含めて厳格に定められたうえで、独立した審査機関による事前の審査が行われるべきであり、また、事後的な救済制度及び人権侵害に対するチェック体制が充実していることが強く求められる。
    (4)この点については、1991年(平成3年)の国連総会決議において最低限の基準として示された「国連原則」16においては、強制入院について、以下のとおり規定されており、精神疾患の重篤性、及び入院しないことによる患者の受ける不利益の重大性などが必要とされている。
    「1.患者として非自発的に精神保健施設に入院し、又は既に患者として自発的に精神保健施設に入院した後、強制入院患者として退院制限されるのは、この目的のために法律によって権限を与えられた資格を有する精神保健従事者が、原則4に従って、その者が精神疾患を有しており、かつ、以下のように判断する場合に限られる。
    a) その精神疾患のために、即時の又は切迫した自己若しくは他の人への危害が及ぶ可能性が大きいこと、又は
    b) 精神疾患が重篤であり、判断力が阻害されている場合、その者を入院させず、又は入院を継続させなければ、深刻な状態の悪化が起こる見込みがあり、最小規制の代替原則に従って、精神保健施設に入院させることによってのみ得られる適切な治療が妨げられること。b)の場合、可能な場合には、第1の精神保健従事者とは独立した第2の精神保健従事者の診察を求めるべきである。こうした診察が行われた場合、第2の精神保健従事者が同意しなければ、強制入院、又は退院制限を行うことはできない。」
    (5)しかしながら、これらの規約ないし原則があるにも拘わらず、我が国における医療保護入院は、法改正を経て一定の改善がなされたものの、いまだにその要件は不明確かつ緩やかであり、人権侵害の歯止めとしての機能を果たしているとは到底いえない。
    また、本来、強制入院について責任を負うべき国家が主体として明示されておらず、入院の判断が、多くは民間の医療者である1名の医師に委ねられているという点においても問題がある。
    上記の医療保護入院の具体的な要件に照らして考察しても、①「精神障がい者」に限定している点で差別的なものであることは前記のとおりであり、②「医療及び保護」のための入院の必要性についても、その基準は明確ではなく、そのため、担当した医師1名が入院の必要性があると考えれば広い裁量のもとに入院させているのが実情である。患者の医療を受ける権利の実現という観点からは精神科治療に対する反応性があることが明確に規定されて然るべきであり、また、国連原則16において示されているとおり、精神障害が重篤な場合や重大な不利益を受ける場合に限定すべきであるが、それらの観点からも不十分さは明らかである。また、③の任意入院が行われる状態にないことについても患者の判断能力がいかほどであるのかを問題とすべきであるが、その旨が明確に規定されていない。国連原則との関係においても、「精神疾患が重篤であり、判断力が阻害されている」との判断が十分になされることが担保されていない。
    (6)強制入院に対する審査という観点においても、我が国の現状は問題を抱えている。精神障がい者の強制入院の審査には裁判所が関与している国も多いが、我が国では、精神保健福祉法により都道府県に設置された精神医療審査会が審査を行っている。
    我が国が1979年(昭和54年)に批准したいわゆる国際人権B規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約)の第9条4項において「逮捕又は抑留によって自由を奪われた者は、裁判所がその抑留が合法的であるかどうかを遅滞なく決定すること及びその抑留が合法的でない場合にはその釈放を命ずることができるように、裁判所において手続をとる権利を有する」と規定されている。この条項に関し、我が国の精神医療審査会がこの規定における「裁判所」(原文ではcourt)に該当するか否かについては、1988年(昭和63年)に出された国際法律家委員会第2次調査団の「結論及び勧告」において「通常の裁判所(ordinary courts)」である必要はなく、「精神医療審査会に匹敵する専門的なトライビューナル(注:通常の裁判所とは異なる体系の司法的機関のこと)であってもよい」とされている。もっとも、同調査団は、このような裁判所は独立したものでなければならないとしているところ、現在各都道府県(及び政令指定都市)に設置されている精神医療審査会は都道府県等から独立しておらず、いまだ不十分なものと言わざるを得ない。
    また、医療保護入院中の患者からなされた退院請求について精神医療審査会が行った判断については、不服申立ができないとする見解が趨勢であり、実務的にも不服申立は行われていない。その結果、行政庁に対する不服申立のみならず、「裁判所」による司法審査を求めることもできないという問題も存在している。
    さらに、入院時の審査については、精神医療審査会においては入院後に書面審査が行われているに過ぎず、書面審査の限界に審査数が過大であることも加わって、審査の実を挙げることができていない。実地審査を行うことは可能であるとされているが、実際に書面審査にとどまらずに実地審査が行われること自体ほとんどなく、実地審査によって退院相当とされた事例は極めて少ない。
    事後審査である退院請求についても、前記の医療保護入院の要件の不明確さ、及び社会的・環境的要因などが相まって、本来、外来通院が可能な患者についても退院相当とされていないケースも相当数あるものと推察される。このことは精神医療審査会の委員として審査を行っている当連合会の会員の多数の認識でもある。
    (7)さらに、精神障がい者の退院請求・処遇改善請求に対する支援という点についても、「国連原則」の原則18の第1項は次のように、弁護人を選任する権利を定めている。
    「1.患者は不服申立て又は訴えにおける代理を含む事項について、患者を代理する弁護人を選任し、指名する権利を有する。もし、患者がこのようなサービスを得られない場合には、患者がそれを支弁する資力が無い範囲において、無償で弁護人を利用することができる。」我が国における精神医療審査会に対する退院請求・処遇改善請求の申立においても、患者が弁護士を代理人として選任する権利があり、これを十分に保障しなければならないことは言うまでもない。
    しかし、我が国では、現在、資力がない患者が国費で弁護人を利用できる制度はない。
    それ故、日本弁護士連合会は、委託援助「精神障がい者に対する法律援助」で、資力がない患者が退院請求等の代理人を選任できる制度を用意しているが、本来、この制度を整備して、精神障がい者の権利を実質的に保障すべきなのは国である。我が国においては直ちに国連原則に則った国費による弁護人選任制度を構築すべきである。
    (8)ところが、本年6月13日に成立した「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律」では、医療保護入院手続に関し、指定医は1名のままであり、保護者の同意に代えて「家族等のいずれかの者の同意があれば足りる」とする内容となっている。日本弁護士連合会は、改正前において「精神保健福祉法の抜本的改正に向けた意見書」で、「国連原則」16の1項b)に従って、指定医2名による診察・判定を必要とすべきである等と主張し、国費による代弁者の制度を創設すべきとしたが、残念ながら上記の改正法には取り入れられていない。この改正法は、従来の医療保護入院の問題点を改善するものとはいえないばかりか、精神障がい者の地域生活への移行をかえって困難とするおそれすらあり、直ちに再度の改正を行うべく見直しを進めるべきである。

  3. 退院請求等の支援の必要性 (1)以上のとおり、我が国の精神科医療における強制入院は制度的に問題が大きく、精神障がい者に対する、本来必要のない身体拘束による人権侵害が構造的に発生し、常態化しているといえる。この問題に対しては、上記の精神科医療制度の改革等に加えて、医療保護入院制度及びその審査制度の抜本的改革、国費による代弁者制度が不可欠であり、速やかに精神保健福祉法は、国際人権B規約、障がい者権利条約及び国連原則に従った内容に改められるべきである。
    (2)もっとも、このような制度的問題があるとしても、個々のケースにおいて生じている人権侵害に対して、医療保護入院の要件及び精神医療審査会の審査が、その歯止めとして十分に機能していないとすれば、我々は、その現状を改善していかなければならない。基本的人権の擁護及び社会正義の実現を目的とする弁護士としては、現実に存在している人権侵害を無視することは許されず、強制入院下にある精神障がい者の権利擁護のため積極的に行動しなければならないことはいうまでもない。ましてや、精神病床数の多い北海道において、この問題を無視することは許されないはずである。
    この点、前記日本弁護士連合会委託援助事業の利用については、全国的に低調であり、北海道においても同様である。
    (3)当連合会では、これらの現状認識から、高齢者・障がい者のための電話法律相談「北海道弁護士ホッとライン」なる電話相談を創設し、障がい者の法的支援へのアクセス障害の改善に努めてきた。また、患者からの精神医療審査会に対する退院請求等の申立の相談・依頼に対し積極的に取り組むべく、高齢者・障がい者支援委員会が「精神保健支援ハンドブック」を本年3月に発行し、全会員に対し配付した。さらに、精神保健支援ハンドブックの作成にあたり、2012年(平成24年)に退院請求等の事例集積を行ったところ、精神保健福祉法上の医療保護入院の要件を満たしていないと思われる事例につき、弁護士の交渉のみで退院が実現した事案や、精神医療審査会に退院請求を申立てたところ病院が自主的に任意入院に切り替えて退院に結びついたという事案も見受けられた。医療保護入院が相当でないにもかかわらず入院生活を余儀なくされた患者が、弁護士の法的支援を得ることにより、身体拘束からの脱却が実現される例が存在することを示している。
    (4)我々弁護士が現在なすべきことは、入院中の精神障がい者の声が押し殺されることのないよう、可能な限り医療者に対し、あるいは精神医療審査会に対して、患者の主張を代弁し、手続保障を図っていくことであり、そのためには、これまで以上に、入院中の精神障がい者のアクセスを容易にするための方策を実現すべく努力していかねばならない。本年の精神保健支援ハンドブックの発行を契機に、まず、我々、北海道の弁護士自身が、精神科病院の入院者が弁護士にアクセスできる制度を整備し、患者からの精神医療審査会に対する退院請求等の申立の相談・依頼に対し積極的に取り組むことで、精神障がい者の法的支援活動の充実に努める必要がある。

  4. 以上の理由から、本決議案を提案する次第である。

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