2022年2月24日、ロシア連邦はウクライナに軍事侵攻を開始し、現在も民間人を巻き添えにした戦闘を継続している。報道によれば子供たちを含む多数の民間人の死傷者を出し、ウクライナに対してその主権を認めない一方的な要求を行っている。

「恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利」は、日本国憲法がその前文において規定するとおり、ひとしく世界の人々が享有するものであり、人の生命は、人が個人として尊重され、幸福を追求するにおいて、その根源である。

世界は、20世紀において二度にわたり言語に絶する悲哀を人類に与えた凄惨な世界大戦を経験し、その厳しい反省の下、「平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整又は解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること」を目的として国際連合が設立された(国連憲章第1条)。国連のこの目的を達成するためには、「そのすべての加盟国の主権平等の原則に基礎」をおかなければならないとされている(同第2条)。

ロシア連邦のウクライナへの軍事侵攻は、ウクライナの主権、そしてウクライナの人々の平和的生存権と個人の尊厳を根底から脅かし、侵奪する行為であり、かつ国連の目的に著しく反する暴挙であって、到底許されるものではなく、基本的人権を擁護し社会正義の実現を使命とする弁護士・弁護士会の団体として看過できない。

当連合会は、ロシア連邦のウクライナへの軍事侵攻を強く非難し、ロシア連邦に対して直ちに侵攻を中止することを求めるとともに、日本国政府に対して、日本国憲法に定める平和主義・国際協調の精神に基づき、今後もウクライナに対して軍事的支援を除く広い支援を行うことを求める。

2022年3月14日

北海道弁護士会連合会  
理事長 砂子 章彦