北の大地・北海道で
あなたの力を発揮しませんか

北海道弁護士会連合会は
司法過疎地域に派遣する弁護士を養成する事務所として
2005年3月「すずらん基金法律事務所」を札幌に創設しました。
意欲ある弁護士を募集します。

すずらん基金法律事務所とは

北海道は、国土の約22%にあたる約8万平方キロメートルの面積を有し、約538万人の人々が生活しています。令和4年12月5日現在、北海道内の登録弁護士数1063名のうち、849名(全道の約80%)が札幌管内に登録しており、道内の弁護士が札幌に集中している状況にあることは否めません。これまでの司法過疎解消の取組みにより、地方裁判所支部管内に登録弁護士が全くいないか、1人しかいない地域(いわゆるゼロ・ワン地域)は解消されつつあるものの、弁護士偏在の問題がすべて解決したわけではありません。
 道内では、弁護士偏在状況を改善するため、平成13年4月から現在までに合計20箇所の「ひまわり基金法律事務所」が開設されていますが、令和4年12月5日現在も11箇所の「ひまわり基金法律事務所」が稼働し、まだまだ弁護士不足が深刻な地域が残っています。そのような北海道内の「司法過疎地域」で働く弁護士を養成するため、北海道内の弁護士が特別会費を拠出し、すずらん基金法律事務所運営委員会を組織して開設・援助する事務所が、「すずらん基金法律事務所」です。
 「司法過疎地域」を抱える弁護士会連合会が、過疎地域に派遣する弁護士を養成する事務所を開設・援助するのは、全国で初めての試みでした。現在では、他の弁護士会連合会でも当事務所をモデルとした事務所が開設されるに至っています。

すずらん基金法律事務所の特徴

「すずらん基金法律事務所」は平成17年3月、札幌弁護士会館内に開設され、現在73期1名、74期1名、75期4名が社員弁護士として勤務しています。社員弁護士は毎年若干名ずつ採用され、入所後2年から3年以内に、北海道内の「ひまわり基金法律事務所」に所長として赴任したり、司法過疎地域に自ら事務所を開設するなど、司法過疎地域において弁護士業務に従事する弁護士となるよう養成されます。これまで57期から73期まで30名以上の社員弁護士がそれぞれ中標津、北見、名寄、岩内、稚内、伊達、ひだか、留萌、倶知安、浦河、紋別、本別、根室、オホーツク枝幸の「ひまわり基金法律事務所」の所長として赴任し、室蘭、登別では、それぞれ1名の社員弁護士がすずらん卒業後から独立開業しています。

 「すずらん基金法律事務所」には、いわゆるボスと呼ばれる所長はいません。事務所に所属する弁護士全員で事務所を経営しています。もっとも、事務所に所属する弁護士は経験の少ない若手弁護士が多いです。そのため、すずらん基金法律事務所運営委員会による助言指導はもとより、所属弁護士一人一人に指導担当弁護士が選任され、事件を共同受任したり、具体的な事件処理や事務所経営全般について助言指導を受けています。社員弁護士は、国選弁護事件、当番弁護事件、法律扶助事件、法律相談センターの相談や事件受任など、公益的活動を積極的に行うとともに、各種研修やすずらん基金法律事務所運営委員会にも出席し、「司法過疎地域」で活躍するための知識や技術の習得に努めています。
 「すずらん基金法律事務所」は、定額の給与制ですので、弁護士経験が浅くても、安心して事件に集中することができます。司法過疎問題に興味のある方、一緒に北海道のために頑張ってくれる方など、意欲のある方の応募をお待ちしています。

理事長からのご挨拶

人々が生活する中で生ずる様々な争い事や悩みについて、弁護士が相談に応じ、法的に解決していくことは、基本的人権の擁護に必要不可欠であり、また弁護士の使命(弁護士法1条)といえます。しかし、弁護士過疎地域においては、弁護士にアクセスすることが非常に困難であり、場合によっては法的解決を人々が断念する事態を生じさせます。そこで、日本弁護士連合会は、弁護士過疎問題を解消する一つの方策として、2000年からひまわり基金法律事務所を設置しました。ひまわり基金法律事務所は、累計で122か所設置され、2023年5月現在31か所が稼働しています。うち、11か所が北海道内にあります。
 北海道は、広大な土地に弁護士が偏在していること、交通の利便性に乏しく、特に冬期間における長距離の移動には大きなリスクを伴うことなどから、北海道弁護士会連合会は長年にわたり弁護士過疎・偏在問題の解消に努めてきました。2004年には道内の弁護士過疎・偏在対策事業に活用するため、管内弁護士会会員の特別会費を主たる財源とする「すずらん基金」が発足し、2005年「すずらん基金法律事務所」が設立されました。
 すずらん基金法律事務所は、道内に設置されたひまわり基金法律事務所において、北海道で経験を積んだ所長弁護士に活躍してもらおうとの理念の下で運営されています。すずらん基金法律事務所自体には所長がいませんが、道内4会の弁護士で構成される「すずらん基金法律事務所運営委員会」が社員弁護士のバックアップを行っています。すずらん基金法律事務所は、これまでに多くのひまわり基金法律事務所所長弁護士を輩出し、その人数は、2023年5月現在で34名に及びます(なお、出身者のうち2名は過疎地域において独立開業されました。)。すずらん基金法律事務所出身の弁護士は、司法過疎地における業務はもちろんのこと、地域社会における公益的な活動も積極的に行っています。
 すずらん基金法律事務所における勤務経験を通じて弁護士としてのスキルを磨き、弁護士過疎地域において沢山の方々の権利擁護に邁進し、様々な社会活動に参加することは、他では得がたい経験となります。弁護士過疎問題に興味のある方、弁護士過疎地域での活動に魅力を感じられる方がいらっしゃいましたら、是非御連絡ください。すずらん基金法律事務所の社員弁護士やひまわり基金法律事務所の所長弁護士は、北海道弁護士会連合会、管内弁護士会のみならず日本弁護士連合会からも手厚い支援がなされますので、ご安心ください。
一人でも多くの会員が弁護士過疎地域において活躍されることを祈念いたします。

2023年度
北海道弁護士会連合会理事長
佐藤 昭彦

出身弁護士の活躍している地域

  • ひまわり基金法律事務所の任期終了後、出身弁護士が開業・移籍等をした地域

    札幌(開業・移籍等)/岩見沢(開業)/旭川(開業)/北見(開業)

  • 出身弁護士が司法過疎地域で独立開業し、又はひまわり基金法律事務所を経て定着した地域

    倶知安(定着)/伊達(定着)/登別(独立)/室蘭(独立)/北見(定着)/中標津(定着)

  • 出身弁護士が現在ひまわり基金法律事務所の所長を務めている地域

    稚内(現)/枝幸(現)/名寄(現)/紋別(現)/根室(現)

  • 出身弁護士が過去にひまわり基金法律事務所の所長を務めていた地域

    留萌/岩内/ひだか/浦河/本別

募集要領

採用人数 1名
採用方法 書面審査及び面接
応募期限 随時
応募方法 履歴書、志望理由書(書式自由)を郵送
応募先 〒060-0001 札幌市中央区北1条西10丁目 札幌弁護士会館4階
弁護士法人 すずらん基金法律事務所
電話:011-280-3020 FAX:011-219-3800

FAQ

Q. 所長弁護士はいますか?
A.

すずらん基金法律事務所には、特定の所長弁護士はいません。そのため、弁護士1年目から、事件処理と経営の両方に携わることができます。
 所長弁護士はいませんが、心配は不要です。すずらん基金法律事務所運営委員会(北海道弁護士会連合会)の経験豊富な弁護士が、指導担当として、すずらん基金法律事務所の弁護士を指導・教育していくシステムになっています。

Q. どのような事件がありますか?
A.

すずらん基金法律事務所の弁護士は、指導担当弁護士等と様々な事件を共同受任することができます。例えば、離婚、相続、債務整理、交通事故といった一般民事事件はひととおり経験できるように配慮されています。中には、法人破産申立てや保全事件、労災事件、国家賠償事件を受任した弁護士もいます。

Q. 地方での任期終了後は、どのような進路がありますか
A.

地方での任期終了後の進路は各自の判断に委ねられており、赴任先での独立開業や、赴任先以外の都市で弁護士業務を開始する等、選択肢は様々です。
 ひまわり基金法律事務所に赴任した弁護士のなかには、任期終了後、赴任先に定着した者、札幌で事務所を開設した者、札幌の事務所に移籍した者、地方公共団体に移籍した者などがいます。
 また、弁護士会の副会長になった弁護士も複数名います。

Q. 地方に行った後の支援はありますか
A.

地方に赴任した場合、一人で弁護士業務を遂行することになります。
 ですが、各ひまわり基金法律事務所は経験豊富な弁護士で構成される「支援委員会」の支援を受けられます。また、先にひまわりに赴任した社員弁護士との緊密なネットワーク(メーリングリストなど)により、日常業務で生じた様々な疑問点を解消できるようになっております。
 そのため、地方に赴任してからも、安心して業務にあたることができます。

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