サハリン州法曹招待顛末報告
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北方圏交流委員会委員  本 間 裕 邦
  1.  北方圏交流委員会では、1993年からサハリン州の法曹との交流活動を続けています。

     本年度は、7月24日から7月28日までの日程で同州の法曹3名をお招きしましたので、その顛末を以下に報告します。

  2.  まず今回お招きした3名をご紹介しますと、
    コピトフ・アナトーリー・ヴラジミロヴィチ氏
    (ロシア法務省サハリン州刑罰執行局長)

    マトヴェーイェヴァ・オリガ・アレクサンドロヴナ氏
    (「サハリン法律会社」法務部長、元弁護士)

    レスコーヴァ・ノンナ・ヴィクトロヴナ氏
    (弁護士、法律相談所「貴方の弁護士」所長)の以上3氏です。

      また、通訳として具文鎬(クー・ムンホ)氏も一緒に来道されています。

      更に、今回は招待者が3人ということとより緊密な意思疎通を図るため、北大大学院院生の塚田力さんにも通訳をお願いしました。

      尚、当連合会の会報第78号に昨年のサハリン訪問記が記載されていますが、コピトフ氏は刑務所見学を実現して下さった方であり、レスコーヴァ氏は訪問団が訪問した法律事務所の所長さん、マトヴェーイェヴァ氏は裁判官の誕生会の出席者で、全員が昨年の訪問団とは顔見知りです。

  3.  以上4名の方は、7月24日(水)午前11時30分に予定通り、ユジノサハリンスクから新千歳空港に到着し、当方の出迎えを受けて、JRにて札幌市に入り、ホテルロイトンにチェックインしました。

      その後すぐに札幌弁護士会の事務局や法律相談センター、合同法律事務所を見学、ホテルで小休止の後、大通公園を散策、午後6時から第一ホテルにおいて3名それぞれに講演をして頂きました。

      講演内容は、コピトフ氏がサハリン州の矯正施設の体制及び現状について、レスコーヴァ氏はサハリンにおける日本企業の動向や同地で事業を行う際に問題となる法律制度の状況について、マトヴェーイェヴァ氏は日本船拿捕に関する問題についてであり、参加者の質問も活発になされました。

      参考までに3氏の講演の原稿(翻訳文)を後に掲載しておきます。

      3氏の講演を聞いて特に感じたのは、刑務所の体制は日本とあまり違わないということ、受刑者が増えていること、特に若年の受刑者が増えているということです。また、ロシアでは弁護士の資格や活動に関する法律をはじめとして、資本主義経済への移行に応じて民法や税法等あらゆる分野の法律が続々と制定されているとのことであり、この状況は司法改革で揺れる日本の状況に重なるように思います。

  4.  翌7月25日(木)は当連合会の釧路での定期大会の前夜懇親会に出席すべく、朝からJRで釧路へ移動しました。この時の添乗は北方圏交流委員会の三津橋彬、江本秀春、嶋田久夫委員と佐藤光子会員です。

      釧路到着後、釧路地家裁を表敬訪問して、同所長と会談し、その後、釧路地方検察庁も表敬訪問して、同検事正と会談しました。また、新築の両庁舎の施設も案内してもらうことができ、サハリンの法曹も随行員も興味深く見学しました。この訪問は活発な質疑応答により予定時間が30分もオーバーしました。

      その後、サハリンの方々は三津橋、江本の各委員と佐藤会員のエスコートのもと、釧路港内周遊の観光船内で催された当連合会定期大会前夜懇親会に出席し、全国からお集まり頂いた来賓の方達等にご挨拶され、大歓迎されたようです。

      懇親会終了後は、昨年のサハリン訪問の参加者であり今定期大会実行委員長である稲澤優会員が、日本料理店で歓迎会を開いて下さいました。サハリンの方々も釧路の海の幸と同実行委員長のロシア語の挨拶を堪能されたことと思います。また、この席には昨年のサハリン訪問の参加者である紋別の松本三加会員やサハリンの大学に留学中の日本人学生も招かれていて、日露交流が一層盛り上がりました。

      この夜は更に長く続き、一行はここから厚かましくも夜更けに稲澤会員のご自宅に伺い、広いプレイルームでのカラオケ大会となりました。同会員の奥様は夜分にも関わらずにこやかに歓待して下さり一同は大いに楽しみました。奥様には非礼をお詫びし、心より御礼申し上げます。

  5.  7月26日(金)は、午前中は釧路市の鶴公園を見学、昼は老舗の蕎麦屋で蕎麦を賞味し、午後から当連合会定期大会に出席し、同大会を見学した後、札幌に帰るべく、釧路空港に向かいました。

      釧路から丘珠空港に到着し、一旦、ホテルに帰った後、展望の良いレストランで夕食をとりましたが、この日は豊平川で花火大会があり、サハリンの方々は花火が珍しいらしく、遠くに見える花火ではありましたが、喜んで頂けたようです。

  6.  7月27日(土)は、最終日ということで、観光と買い物に充てられました。まず、小樽のロシア人向けの店舗(電気製品と雑貨が販売されています)に行き、日本とロシアのテレビ放送の両方を受信できるテレビ(マルチテレビと言います)等を購入しました(そういう店やテレビがあるのです)。その後、札幌に戻り、100円ショップやスーパーマーケット等で買い物を楽しみました。

      それぞれ醤油やわさび、また、お子さんやお孫さんへのお菓子やおもちゃ等のお土産を購入されました。また、レスコーヴァさんは知人の依頼で露和辞典やロシア人向けの日本語学習の教科書や参考書を買いたいとの希望でしたが、紀伊国屋書店で購入することができ、満足されたようです。

      また、札幌コンサートホール《キタラ》の見学では札幌市内の高校のブラスバンドのコンサートを鑑賞しましたが、高校生の若さ溢れる懸命な演奏とサービス満点の演出に随行員ともども感心し、すっかりリラックスしました。

      午後6時からは、恒例となりつつあるサッポロビール園での送別会が催されました。ロシアの方々からは今回の招待に対して、それぞれに感謝の挨拶のほか記念品まで頂き、また、例によって上田文雄会員の歌も出る等終始和やかな雰囲気で行われ、時間の許す限り歓談が続きました。

  7.  そして、翌28日(日)は、新千歳空港午後1時発のユジノサハリンスク行きの飛行機に搭乗し、夕方にはユジノサハリンスクに到着されました。

      新千歳空港では、小樽の店舗から送った買い物の荷物が予定通りに届いていませんでしたが、運送会社に何度も連絡した甲斐があって、なんとか飛行機の時間に間に合い、購入品と一緒に帰国していただくことができました。

  8.  最後になりましたが、今回のサハリン州法曹招待の件でご尽力を頂いた方々に心からお礼申し上げます。貴重なご寄付を頂いた方、釧路まで随行して頂いた方、観光・買い物に付き合って頂いた方等、皆さんのご協力があって初めて今回の招待が成り立ちました。有難うございました。

      特に、通訳として協力して頂いた塚田力さんには今回の旅程のほとんど毎日24時間拘束でお世話になり、助けて頂きました。心より感謝申し上げます。

  9.  サハリン州法曹との交流はお互いに隣りの「大国」を理解し、学びあう機会を持つということで、大変価値のあることだと思います。

      特に、日本の司法改革やロシアの資本主義体制への移行が問題となっている現状のもとでは、今後ともその機会を当連合会会員に広く提供して行き、関心のある会員が増え、個人的な交流の枠を超えてより詳しい司法制度や司法状況の相互研究等に発展して行くことができればと考えます。

      どうです、あなたも来年はサハリンに行って世界を広げてみませんか。

刑罰執行局長コピトフ氏の参考資料

 州内では六つの矯正施設が機能しています。それは普通体制のコロニー、厳重体制のコロニー、教育コロニー、二つの予審懲戒房、治療―矯正施設です。

 サハリンの矯正施設には全ての年齢層の受刑者が収容されています。現在州内では3,600人の受刑者が収容されています。受刑者の多数は40歳未満の人たちです(25歳未満が36%、25から40歳までが47%、40から55歳までは16%、55歳以上は1%です)。サハリンの矯正施設に収容されている受刑者達は色々な重さの罪を犯した人達です。窃盗犯が36%、殺人犯が16%、故意に健康に思い害を与えた犯罪者は12%、迫害犯が14%、強盗犯が10%、強姦犯5%、フーリガン犯罪が3%、反軍隊勤務犯罪が1%、ゆすり犯罪が1%以下と成っています。経済犯罪者やギャング犯罪者はおりません。

 受刑者達は社会から完全に隔離された矯正施設内の企業で働いています。

 各矯正施設で受刑者の毎日の内規は労働法に従って労働時間が8時間を超過しないように作成されている。睡眠時間は8時間です。平日には毎日1時間ずつ教育行事が行われる。残りの時間は食事(毎日三食)、体操、大衆文化行事、学校、職業訓練、朝夕の検査と自由時間に使われる。土日は休日であり、休日は主に大衆文化行事と教育行事に費やされます。

 サハリンの矯正施設では学校や職業訓練学校で学ぶことが許されます。出所後の労働や日常生活に適応させるための施設として矯正コロニーNo.1には夜学校と職業訓練学校が、教育コロニーでは中学校と職業訓練学校、矯正コロニーNo.2では受刑者が中等教育と次の九つの専門技術:大工、木材加工工作機工、蒸気機関士、電工、上下水道配管工、家具職人、大工―建築労働者、機械修理工を獲得できる学習センターが有ります。去年は200人以上の受刑者が専門技術を獲得しました。来年には矯正コロニーNo.1の受刑者は新たな三つの専門技術:上下水道配管工、溶接工、仕上げ工の技術を得ることが出来るようになります。

 受刑者教育の目的で教育コロニーと普通体制コロニーとの厳重体制のコロニーには保護者会議が設立され機能しています。ロシア正教協会との協力が協定に基づいて維持されています。ユジノサハリンスク市普通体制コロニーの領域内には1年以上正教協会からの協力を得ています。刑罰執行部の全管轄区には受刑者が宗教儀式を行う施設が整っていますし、正教施設全体に聖務執行者がついています。矯正施設には受刑者達の自発組織が作られ機能しています。矯正コロニーNo.1、No.2には受刑者たちによって規律課が創られました。このコロニーにはボーカル楽器アンサンブルが活発に機能しています。大衆文化行事全部は彼らが参加して行われ、これらがある程度教育的意義を持ち、受刑者の自由時間や余暇を組織的に送るのに大変役立っています。

 受刑者の教育行事は彼らの個人的性格を考慮に入れて行われ、彼らの矯正を目指しており、受刑者に人間、社会、労働、共同生活の規範や規則に対する遵法精神を養い、教育と文化の水準を上げるものです。サハリンの矯正施設に収容されてる受刑者に対して道徳的、法的、労働、物理的、美的、知的、愛国的教育を含めた総合的教育が行われている。毎年受刑者たちはチェス世界チャンピオンA.カルポフ賞の争奪を目指してチェス競技大会を催し、優勝者にはプレゼントが与えられます。普通制度コロニーでは、もう恒例となった受刑者対矯正施設従業者のサッカー親善試合が行われます、このような試合にはサハリンのサッカークラブやスポーツベテラン達が招待され、参加したりします。矯正コロニーNo.1では何度もサハリン州音楽協会の楽団が演奏しました。矯正コロニーNo.3では州立博物館、州立図書館と交流をし、博物館や図書館側が受刑者たちに講演をしたり、ビデオフィルムを上映したりして文化的、精神的環境を提供しています。

 予審懲戒房No.1では新聞「サハリンスカヤジズニ」の記者が参加して道徳教育を兼ねて公開討論を行います、それには受刑者達から形成されたSIZO経営奉仕班も参加します。

 サハリン矯正施設での受刑者教育の主な方法は労働させることです。働く受刑者は毎年12労働日の有給休暇が与えられます。良く評定された受刑者は矯正施設から出て休暇を過ごすことが出来ます。サハリン州の矯正施設に収容されている各受刑者は親戚等と面会する権利を持っています。年間の面会回数は刑罰の条件によって異なります。受刑者は最高6回の長期間面会(3日間以内)と6回の短期間面会(4時間以内)が許されます。短期間面会には必ず施設当局の代表が立ち会います。誠実に働き、模範的な行為をした者には追加短期間面会が与えられることもあります。

 最近3年間は日本人が裁判を受けたことがなく、服役したこともありませんでした。

 サハリンまたはロシア全体の刑罰執行システムの将来の発展と完全化に影響を与える主な問題は予算不足です。

弁護士 レスコーヴァ氏の講演

日露企業の働きについて

 現代ロシアの経済特徴の一つは外国資金の導入である。外国の法人達はロシア企業の設立者として活動し、外国企業の代理店や支社を設立して独立的企業活動を行う。

 日本との関係は我が国外交の優先的政策の一つとしてずっと前から堅く確立されている。それは大変広い分野を含み、隣り合う世界の大国間の関係なので当然です。

 日本のロシア経済への投資額は、大きな投資国順にしてみるとたった10番(あるデータに依ると17番)にしかならないが、両国政府は広い分野での露日パートナー関係を一貫して築くのに努力しています。

 現在日本のビジネスは以前同様にロシア国内のモスクワやイルクーツク、ウラジオストク、ハバロフスク、ユジノサハリンスクや他の都市に代理店を設置するだけに限られている。90年代の末期には20以上の日本企業がロシア国内に自分の商品販売店網設置だけでなく産業活動も試みた。「トヨタ」、「ニッサン」、「ホンダ」、「富士重工業」、「松下」、「ソニー」、「シャープ」、「富士通」、「ブリヂストン」、「富士写真フィルム」、「資生堂」の11社の売店がオープンしました。「小松」と「NEC」の合弁企業が活動を開始し、「味の素」社ロシアの国営科学研究所と共同研究社を設立しました。ロシアで初めての銀行「みちのく銀行」が開設されました。

 日本の投資家達にはロシアの極東地方、その内のサハリンに伝統的に興味が有ったのです。

 現在サハリンには388の合弁企業が活動していますが、その内115には日本企業が参加しています。

 一番盛んに行われてる分野は水産物、木材、中古車の売買です。だが、サハリンには別な資源もあります。例えば、日本の紙生産者は針葉樹に興味が有ります。旅行会社はサハリンの未開発自然に興味を持っています。情報テクノロジーにおける協力も注目されます。

 しかし協力発展の道に障害物が隠された事もあります。露日合弁企業の一部が高い税金、税務署と税関との相互関係で起こった難問題、それも法的問題から起きた事でなく、税務署や税関従業員との相互関係から起きた問題が原因で潰れてしまったことも有ります。

 これに関連して、ロシア市場で活動してる日本企業が確実に失敗から逃れられるように簡単に説明しておきます。

 新しい法令導入や現行法の変更により、常に改良される法制度は日本の企業家だけでなくロシアの企業家にもそれを応用する際、大変な困難を生み出すのです。ですのでロシア人、特に日本人の為に第一段階として露日合弁企業を設立当時から始まって全活動期間保護する弁護士や法律家を選択することが、重要かつ不可欠になります。この際職業的知識水準だけを考えてはなりません。それよりもっと重大なのは人間の誠実さ、正直さ、職業倫理等の資質なのです。この観点から見ると弁護士の保護を受けることがもっと望ましいのです。これが特に切実なのは今年の7月1日から新しい法律「弁護士活動と弁護士業」が導入されるからです。この新法律は弁護士以外の法律家に比べて弁護士活動にはもっと高い基準の評価が要求され、責任基準の向上と弁護士活動の法的範囲に対する制限をなくしています。

 この新法に従った弁護士の誠実な対応によって企業活動成功全体と事業の安定と高い利益を獲得することができるのです。だから私はこの要素が一番大事だと言うのです。

 次に注目すべき点は法的基盤です。ロシアと日本が相互に有利な関係を築くのを可能にする基本的書類です。

 露日間平和条約が締結されてないことは絶対相互に経済的興味が無いことを意味している訳ではありません。市場関係はロシアと日本側の法律範囲内で可能なしかるべき措置を講じてきています。

 1998年11月13日に日本の内閣総理大臣小渕氏がロシア公式訪問の際、投資の奨励と保護についての協定が調印された。

 2000年5月にこの協定が施行されたことにより露日間の企業資金流動に関し注目が集まりました。

 政府レベルで没収や国有化を禁止する投資者の投資額や収益を保護する原則が確保されました、損害が起こった場合は保証する事も予定されました。

 本協定に応じて国家は投資家の投資に必要な自由送金の保証も与えました、それに応じて下記の送金が認められました。

  ──最初の投資金と投資金額増加目的や企業維持に必要な補足金額;

  ──収入;

  ──借金返済金;

  ──労働金やその他;

 もっと詳細な投資家に与えられる権利や保障については1999年に受け入れられ有効になったロシア連邦法律「ロシア連邦への外国投資について」と「資金支出形式で行われるロシア連邦への投資活動について」に説明されています。この法律は下記のことに与えられる保証について規定しています。

  ──ロシア国外への財産や書類に記入された、または電子媒体に録音された情報の自由な搬出;

  ──有価証券の獲得;

  ──国家財産個人所有化に参加;

  ──土地、自然資源、建物、設備や不動産、その他の権利提供;

 上記の法律は企業を地方役人の恣意から保護する実際的な意義を持ちます。投資してロシア国内で合弁企業を設立したり又は自社の支社や代理店を設立したい人はこの法律を常用参考書として机の上に置いておくべきです。

 企業設立の目的は利益を得ることであるので、もっとも重要な問題である税金問題を見逃すことは出来ない。説明する必要はないが、税金の負担が少なければ少ないほど利益が多くなる。

 2002年1月1日からは税に関する法典が導入されました。

 この法典の累進性は、以前色々な法典に書かれてあった税に関する法律全部が一カ所に集められたものです。この法典はみんなに関する統一的な税、それの数、税率、納税の秩序、期限を樹立したのです。税法典に記入されていない税金は払う必要が有りません。

 この税法典の導入は企業経済活動を予測出来るようになることを意味する。そして何年も未来のことも予測することを可能とする。

 私に与えられた時間内に税率について詳細に説明することは不可能です。どうしてかというとその大きさは外国投資家がどんな形式で活動するのかに依るのです。それは支店であるか代理店であるか、またはロシア国内で設立された新しい企業であるかに依るのです。その他税率の大きさは得られる収入の種類にも依るのです。もし外国企業の平均的税率を知りたかったら、それは20%を越さないのです。

 1986年1月18日に露日両国間で条約「二重所得税課税を不可能にすることについて」が調印されました。この条約は所得税を二重払いしないようにするものです。ロシア国内で払われた税金を日本でも勘定に入れることです。その他条約は投資者にどの国に納税するかを決める権利も与えることを予定しています。

 条約は独特な制限も定めました。それによって法人が支払う配当金は配当金全体の15%以上の税率で課税されないことです。例をとると、このような税率がロシア税法典で外国企業が配当金として得た収益に適用されるのです。

 本条約は国内法に関しても優先的意義を持ち、それに依って安定的経済関係が保証されます。

 私が上記の文書に大きな注目を払ったのは偶然ではありません。主なリスクはロシア連邦の法的条件枠(法律)があまりにも変わりやすい事に有るのです。しかし上記の文書は骨組みであり、それに基づき投資者の主な、堅固な権利が保障されるのであり、それを知ってることはそれを利用する広い可能性を与えるのです。私は自分の講演を楽観的な気持ちで終えたいと思います。私が望んでることは実業家―投資家同士の関係だけを深めるのでなく、両国の弁護士(法律家)同士の関係も深めたいことです。私どもは妥協点を見いだして、緊密に協力しながら仕事をしなければ成りません。そうするとロシア人であれ、日本人であれ我々の依頼人は自社企業活動の法的局面に注目を払わず、全力を企業活動に集中して最高な相互利益を得ることが出来るでしょう。

マトヴェーイエヴァ氏の講演

日本船拿捕問題について

 日露両政府の協定によって、ロシア海域で拿捕された日本船は担保を払って解放される事が可能となっている。

 また連邦法律第39条1998年12月17日付「ロシア連邦排他的経済海域について」によって拿捕された外国船とその乗組員はロシア連邦に相当の担保を払うか又は保証をしたら直ちに解放される。

 本法律が導入されるに関連して直ちに行政法違反についての法典第56−2条に次の変更が加えられた。「ロシア連邦排他的経済海域での生物資源の操業条件違反、無生物資源の安全な探索、探査、と開発の現行標準の違反、また海洋環境、生物または無生物保護基準の不履行」の場合船舶が没収されることもある。

 このような行政法違反が摘発された場合、それを検討する機関は裁判所である。裁判が行われている間、海洋監督局は行政法違反の裁判履行保全の為船は留置しておく。審査の期限は限られているが、予審と審判が終わるまではかなり時間が掛かる。

 しかし本法律は「経済海域について」にも他の法律にも担保の払い込み条件については規定がありません、これは法律の欠点であります。

 担保が支払われた場合でも、衝突が起きます。連邦法律「ロシア連邦排他的経済海域」と露日政府間協定に従って船を解放するか、又は行政法違反を優先するかです。実際には、海洋監督局の役人は船主の訴えを無視して、担保を受け取らず、船を解放しないのです、この場合乗組員にはお金も食料費も無いので船内の生活を維持するのが大変なのです。

 私の意見では、権利を持った役人の行動に依って、外国人の法的権利が破られるのです。

 近い将来にロシア役人のこのような行為に対しての日本人の訴えが審議されます、結果は私が報告致します。