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2007(平成19)年度北海道弁護士会連合会定期大会報告

常務理事 太田 賢二

  1. 2007(平成19)年度北海道弁護士会連合会定期大会は、7月27日(金)に帯広市のホテル日航ノースランド帯広において、開催されました。帯広市での開催は実に37年ぶりとなりました。
    定期大会は、200名以上のご参加をいただきました。
    大会は、釧路弁護士会の河邊雅浩会員と伊藤明日佳会員による、司会進行で行われました。
    まずは、伊藤会員による開会宣言の後、藤本明理事長が開会の挨拶を行いました。理事長は挨拶の中で、今道弁連の活動として重要なものとして、「弁護士過疎、偏在対策の取り組み」と、「憲法改正問題に対する取り組み」を指摘しました。
    次に日本弁護士連合会平山正剛会長、東北弁護士会連合会佐々木廣充会長、そして地元帯広の砂川敏文市長から来賓のご祝辞をいただきました。
    続いてこの1年間にご逝去された故岡部博会員(旭川)、荻原怜一会員(釧路)、渡部保夫会員(札幌)、村上弘会員(札幌)に黙祷を捧げた後、議事に入りました。
  2. 大会議事規程にしたがって、開催地である釧路弁護士会の齋藤道俊会長が議長となり、議事が進行しました。
    1. 会務報告
      常務理事から、昨年7月から本年6月までの会務の状況について報告させていただきました。
      主な内容としては、まず、道弁連全体の会員数が500名の大台を超えたこと、特に釧路弁護士会は、総会員数46名のうち24名が50期以降の会員であり、道内で一番にいわゆるセロワン地域を解消されたことを報告しました。会員数の増大もあって、道弁連全体の決算は、2年連続で黒字に転換しています。繰越金が1000万円を超えたのは、実に4年ぶりです。このように会員数が増えることに伴って、道弁連としての活動のありかたについても、単に親睦だけにとどまらず、各単位会会員に役に立つ活動をすることが求められてきています。たとえば(1) 司法修習生に対する就職説明会は、道弁連としての重要な活動になってきています。また(2) 新規登録弁護士研修もブロックごとの担当となりましたし、(3) 裁判官選考検討委員会や(4) 弁護士任官適格者選考委員会などについても、道弁連が、司法改革の実行段階において重要な役割を担っています。それ以外にも、研修や各種協議会などを、ブロック単位で行事も増えています。これらの成果を道内の各会員に等しく供給する役割も求められています。道弁連の活動が、道内各会の会員のみなさまのためになるように、また各単位会の活動をサポートするように、そして市民に対して弁護士・弁護士会の活動を理解していただくように検討していくことが課題であることを指摘させていただきました。
      それ以外に、すずらん基金法律事務所が、道弁連の会員のみなさまのご理解のもと順調に推移してきており、全国的にも大きな注目を浴びていることと、今後の課題について述べさせていただきました。それに関連して、事実上休眠状態にあった「司法過疎プロジェクト」を再度立ち上げることもご報告しました。また、当番弁護士制度基金の現状と、被疑者国選制度の実施後の課題についてもご報告しました。
      会務報告は、異議なく承認されました。
    2. 議案の審議(採択された宣言および決議内容は、別に掲載しているとおりです。)
      またそれぞれの議案の朗読は、釧路弁護士会の岩崎優子会員が担当しました。

      (1) 議案第1号は、「日本国憲法の基本原理の堅持とさらなる実践を求める宣言」案を4会共同で提案いたしました。
      伊藤良会員(札幌)から、この60年間、憲法が民主的で平和な社会の実現に果たしてきた役割は極めて大きなものがあること。しかしながら、憲法の目標は、いまだ実現されるに至っておらず、かえって、近年憲法の理念や基本原則を揺るがし、あるいは大きく後退させるような動きが生じてきており、憲法が保障する自由と権利を国民の不断の努力によって保持することの重要性が今改めて認識される状況にあり、そのためにも今この宣言を発することが重要だという提案理由が説明されました。その後の審議では、武部吉昭会員(函館)が、長年の裁判官としての経験を踏まえ、日本国憲法の基本原理の堅持を訴える宣言をすることは、党利党略を離れて、日本国民の幸せのために、まことに時宜を得た宣言ではあるという熱のこもった賛成意見を表明されました。
      採択の結果、本宣言は、満場一致で可決されました。
      採択後、本宣言は、内閣総理大臣、衆参両議院(議長)、法務大臣、各政党、日弁連、全国各弁護士会に対して、送付・執行されました。

      (2) 議案第2号は、「高齢者・障がいのある人の地域で暮らす権利の確立を求める決議」案を4会共同で提案いたしました。
      佐々木涼太会員(釧路)から、障がいのある人や高齢者にかかわらず、誰もが自分らしく安心して地域で暮らせる社会をつくることが重要であり、「地域で暮らす権利は」基本的人権であること、それにもかかわらず日弁連の調査や北海道の現状は、なお社会制度や法的支援策が不十分であること、それゆえ弁護士である我々が、この問題に積極的に取り組んでいく必要性がある、という提案理由が説明されました。
      審議においては、村山敬樹会員(札幌)から、自らの刑事事件の経験を踏まえて、問題の根底にあるのは、高齢者、障がい者が地域で孤立していることであることであり、そのような孤立を解消するには、人的、物的支援の拡充とともに、行政機関と福祉関係者、そして我々法律専門家である弁護士などが連携し、ネットワークを形成して、複合的に支援をしていくということが何より重要であるという視点で、賛成の意見を述べました。
      採択の結果、本決議は、満場一致で可決されました。
      採択後、本決議は、内閣総理大臣、衆参両議院(議長)、厚生労働大臣、各政党、北海道、道内各自治体、日弁連、全国各弁護士会に対して、送付・執行されました。

      (3) 議案第3号は、「国選弁護に対する報酬の大幅増額を求める決議」案を4会共同で提案いたしました。
      村田雅彦会員(札幌)から、刑事事件における弁護人の任務に誇りを持っており、全力を挙げて国選弁護活動を行っていくことに強い使命感を持っているが、国選弁護報酬は弁護人の活動の対価としてあまりにも低額であること、さらに昨年10月に国選弁護事務が日本司法支援センターに移行され、さらに報酬が低額化していることを指摘した上で、今後、弁護人の負担が一層増大する状況にあり、国民の基本的人権に資する法律専門職者である弁護人の業務に対する正当な対価と言える程度まで国選弁護報酬が大幅に増額されるよう強く求めるべきでる、という提案理由が説明されました。
      審議においては、小林史人会員(旭川)から、これからも弁護士である限りは国選弁護を受任していこうと考えているけれども、報酬の減額により、弁護士の弁護活動が希薄化せざるを得なくなり、違法捜査及び冤罪の防止、適正手続による裁判の実現という刑事弁護の基本目的が十分に達成できなくなるのではないかという危機感を指摘した上で、我が国が近代的文明国家の仲間入りをするためにも、国選弁護費用の大幅増額は、充実かつ適正な刑事裁判実現のために必要不可欠であるとの立場から賛成の意見が述べられました。
      採択の結果、本決議は、満場一致で可決されました。
      採択後、本決議は、内閣総理大臣、衆参両議院(議長)、法務省、各政党、日本司法支援センター、日弁連、全国各弁護士会に対して、送付・執行されました。

    3. 各単位会報告
      今年度は、地元釧路からの提案で、道内各4単位会から、それぞれ現状等の報告をしていただくことになりました。
      旭川からは、井上雄樹会員から、40期以降の働き盛りの弁護士が半数を占めており、今年度末には40人の会員数を突破することが確実であること、しかし実際に地域住民のニーズに答えていくにはなかなか難しいものがあること、できる限り会員で平等に負担をして、地域のニーズにこたえていこうという意欲を皆さん会員は持っていることが報告されました。
      釧路からは、伊藤孝博会員から、昨年の人権擁護大会の成功でも理解できるように、ベテラン、中堅、若手、それぞれの会員がそれぞれの立場と経験を踏まえ、それぞれが持てる力を発揮して、まさに一致団結して会の運営を図っていること、全会員の約6割程度が日弁連委員として活動して、そして各委員会での情報をメーリングリスト等で各会員全員が共有して、かつ議論し、一つ一つの課題に取り組んでいること等が報告されました。
      札幌からは、(1) 10月5日、札幌にて開催されます「第15回弁護士業務改革シンポジウム」と、(2) 9月14日、日弁連、道弁連、札幌弁護士会主催により開催される、「第6回高齢者・障がい者権利擁護の集い」のご案内と、是非多くの会員が参加されることを期待する報告がなされました。
      函館からは、法テラス江差法律事務所で活動していらっしゃる南部潤一郎会員から、法テラス江差の管轄というのは、函館本庁以外の函館地方裁判所管内すべてという広大なものになっていること、当初スタッフ弁護士というのは非常に制限があるのではないかと言われていたが、地方事務所の方や、あるいは日弁連の方々の努力等で、日常業務に対してそんなに不満はない状況にはなってきていることなどが報告されました。
    4. 2008(平成20)年度定期大会開催地の決定
      太田常務理事から、理事会決議に基づき、次期定期大会の開催地を札幌弁護士会管内で行うとの提案がなされ、全会一致で承認されました。決議後、札幌弁護士会の向井諭弁護士から受託のご挨拶がありました。
  3. 永年在職表彰
    裁判所、検察庁からのご来賓の方々にご入場いただき、法曹永年在職表彰が行われました。被表彰者を代表されて福岡定吉先生が、「登録から40年は確実に年齢を加えましたが、みんな元気で体力にも能力にも自信は持っているので、今後ともご懇意をお願いしたい」と、謝辞を述べられました。
  4. 来賓祝辞
    札幌高等裁判所大山隆司長官、札幌高等検察庁大林宏検事長から、来賓としてのご祝辞をいただき、祝電が披露された後、閉会宣言を持って定期大会は無事終了いたしました。
  5. おわりに
    本年度の定期大会は、釧路弁護士会の松浦護実行委員会委員長および齋藤道俊釧路弁護士会会長をはじめとする釧路弁護士会の皆様のご協力と、多くの会員のみなさま並びに来賓の方々のご出席を得て、本当に充実したお礼申し上げます。
    次年度は、札幌管内でまたお会いいたしましょう。