議案の審議(採択された宣言および決議内容は、別に掲載しているとおりです。)
またそれぞれの議案の朗読は、釧路弁護士会の岩崎優子会員が担当しました。
(1) 議案第1号は、「日本国憲法の基本原理の堅持とさらなる実践を求める宣言」案を4会共同で提案いたしました。
伊藤良会員(札幌)から、この60年間、憲法が民主的で平和な社会の実現に果たしてきた役割は極めて大きなものがあること。しかしながら、憲法の目標は、いまだ実現されるに至っておらず、かえって、近年憲法の理念や基本原則を揺るがし、あるいは大きく後退させるような動きが生じてきており、憲法が保障する自由と権利を国民の不断の努力によって保持することの重要性が今改めて認識される状況にあり、そのためにも今この宣言を発することが重要だという提案理由が説明されました。その後の審議では、武部吉昭会員(函館)が、長年の裁判官としての経験を踏まえ、日本国憲法の基本原理の堅持を訴える宣言をすることは、党利党略を離れて、日本国民の幸せのために、まことに時宜を得た宣言ではあるという熱のこもった賛成意見を表明されました。
採択の結果、本宣言は、満場一致で可決されました。
採択後、本宣言は、内閣総理大臣、衆参両議院(議長)、法務大臣、各政党、日弁連、全国各弁護士会に対して、送付・執行されました。
(2) 議案第2号は、「高齢者・障がいのある人の地域で暮らす権利の確立を求める決議」案を4会共同で提案いたしました。
佐々木涼太会員(釧路)から、障がいのある人や高齢者にかかわらず、誰もが自分らしく安心して地域で暮らせる社会をつくることが重要であり、「地域で暮らす権利は」基本的人権であること、それにもかかわらず日弁連の調査や北海道の現状は、なお社会制度や法的支援策が不十分であること、それゆえ弁護士である我々が、この問題に積極的に取り組んでいく必要性がある、という提案理由が説明されました。
審議においては、村山敬樹会員(札幌)から、自らの刑事事件の経験を踏まえて、問題の根底にあるのは、高齢者、障がい者が地域で孤立していることであることであり、そのような孤立を解消するには、人的、物的支援の拡充とともに、行政機関と福祉関係者、そして我々法律専門家である弁護士などが連携し、ネットワークを形成して、複合的に支援をしていくということが何より重要であるという視点で、賛成の意見を述べました。
採択の結果、本決議は、満場一致で可決されました。
採択後、本決議は、内閣総理大臣、衆参両議院(議長)、厚生労働大臣、各政党、北海道、道内各自治体、日弁連、全国各弁護士会に対して、送付・執行されました。
(3) 議案第3号は、「国選弁護に対する報酬の大幅増額を求める決議」案を4会共同で提案いたしました。
村田雅彦会員(札幌)から、刑事事件における弁護人の任務に誇りを持っており、全力を挙げて国選弁護活動を行っていくことに強い使命感を持っているが、国選弁護報酬は弁護人の活動の対価としてあまりにも低額であること、さらに昨年10月に国選弁護事務が日本司法支援センターに移行され、さらに報酬が低額化していることを指摘した上で、今後、弁護人の負担が一層増大する状況にあり、国民の基本的人権に資する法律専門職者である弁護人の業務に対する正当な対価と言える程度まで国選弁護報酬が大幅に増額されるよう強く求めるべきでる、という提案理由が説明されました。
審議においては、小林史人会員(旭川)から、これからも弁護士である限りは国選弁護を受任していこうと考えているけれども、報酬の減額により、弁護士の弁護活動が希薄化せざるを得なくなり、違法捜査及び冤罪の防止、適正手続による裁判の実現という刑事弁護の基本目的が十分に達成できなくなるのではないかという危機感を指摘した上で、我が国が近代的文明国家の仲間入りをするためにも、国選弁護費用の大幅増額は、充実かつ適正な刑事裁判実現のために必要不可欠であるとの立場から賛成の意見が述べられました。
採択の結果、本決議は、満場一致で可決されました。
採択後、本決議は、内閣総理大臣、衆参両議院(議長)、法務省、各政党、日本司法支援センター、日弁連、全国各弁護士会に対して、送付・執行されました。