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平成17年度定期大会決議
北海道の支庁消費生活相談窓口の廃止に反対し、地方における消費者相談体制の強化を求める決議
- 現在、北海道は、支庁における消費生活相談窓口(以下「支庁相談窓口」という。)を廃止することを検討している。北海道内各市町村に消費生活相談窓口が設置されたこと、市町村との役割分担において北海道の相談窓口は広域性、専門性のある分野に特化すべきであること等がその理由とされている。
- 北海道内の消費者問題は一向に減少することなく、悪徳・悪質商法や架空請求等による被害は増加しており、また被害額も高額であり、被害の回復には困難を伴うのが実情である。
このような状況下で、支庁相談窓口を早急に廃止しなければならない理由は見出せない。
- 消費者問題の専門性や北海道の地域性に配慮しながら市町村の相談体制を援助するため、北海道には、支庁における相談体制を拡充させることこそ求められているのであり、それに逆行する支庁相談窓口の廃止には反対せざるを得ない。
また、北海道は、支庁相談窓口の果たす役割の重要性に鑑み、予算増額措置を含め、地方における消費者相談体制を充実・発展・強化させる方向で検討すべきである。
以上のとおり決議する。
2005(平成17)年7月22日
北海道弁護士会連合会
この宣言をなすに至った理由は以下のとおりです。
- 北海道は、支庁相談窓口の廃止を検討している。その計画は、支庁相談窓口を2006年度には5支庁に集約し、2008年度には全廃して、道立消費生活センターに一本化するというものである。北海道内各市町村に消費生活相談窓口が設置されたこと、市町村との役割分担の観点から北海道の相談窓口は広域性、専門性のある分野に特化すべきであること等が窓口廃止の根拠とされている。
- 支庁相談窓口が廃止された場合、その受け皿となるのは市町村の消費生活相談窓口であるが、その実態は極めて脆弱といわざるを得ない。
2003年から北海道の消費生活相談体制整備推進計画が実施されたが、当初、道内の市町村中、専門の相談員を配置して相談体制を整備しているのは46市町で全市町村の5分の1にすぎなかった。その後、同推進計画によって、2005年1月1日現在では、201市町村に相談窓口が設置されるに至っているが、このような短期間で設置された相談窓口の実態は、住民課、商工観光課など他の業務と兼務するものが多く、消費者相談又はそれに準ずる名称で窓口を運営しているのは、わずか43市町村にとどまっている。
相談窓口の相談員に求められるのは専門性であり経験の蓄積である。相談の経験や実績の不十分な兼務の相談員では、充実した消費生活相談を担当するには無理がある。
また、市町村の財政も厳しい状況にあり、消費生活相談をもっぱら市町村が担っていくという構想は非現実的である。
- 2004年6月、消費者保護基本法が改正されるとともに、消費者基本法(以下「改正法」という。)と改称されたが、これによって北海道の果たすべき役割は一層重要となった。
改正法19条は、商品及び役務に関し事業者と消費者との間に生じた苦情について、「都道府県は、市町村との連携を図りつつ、主として高度の専門性又は広域の見地への配慮を必要とする苦情の処理のあっせん等を行うものとするとともに、多様な苦情に柔軟かつ弾力的に対応するよう努めなければならない」と定め、また、上記苦情が「専門的知見に基づいて適切かつ迅速に処理されるようにするため、人材の確保及び資質の向上その他必要な施策を講ずるよう努めなければならない」と規定している。改正法は、都道府県にも上記苦情についてあっせんを行う責務を明らかにするとともに、相談体制の充実・発展・強化による苦情処理機能の向上を求めている。
そもそも、都道府県知事には、各種の消費者保護法により主務大臣の権限の一部の行使が委ねられているが(特定商取引法68条、割賦販売法47条の2等)、北海道知事がこれらの行政権限を適切に行使するためにも、支庁相談窓口を充実させる必要がある。
- 北海道が支庁相談窓口を廃止することによって削減することができる経費は、さほど大きくないものと推測される。他方、支庁相談窓口の廃止によるデメリットは計り知れない。
最近の消費者問題においては、被害者が多数にのぼり、かつ被害額が高額であることが特徴の一つであり、しかも、その被害の回復が困難な事案が大部分である。消費者被害は、首都圏から道府県へ、そして、北海道内においても札幌から地方へ広がる傾向があり、また、高齢者をターゲットとした悪徳・悪質商法による被害など、被害の深刻さも報告されている。
他方、悪徳・悪質商法に対する適切な規制や監視が行われなければ、これによって暴利をむさぼる行為が放免され、若者の勤労意欲を損なわせ、ひいては経済の健全な発展を阻害することにも繋がる。ルールに基づく経済活動こそ市場原理が機能する前提である。北海道経済を健全なものとするためにも、北海道が積極的に消費者問題に取り組む必要がある。
北海道には、消費者問題の専門性や北海道の地域性に配慮しながら市町村の相談体制を援助するため、支庁における相談体制を拡充させることが求められている。必要な予算措置を講じ、地方の相談拠点ともいうべき支庁相談窓口を整備・拡充し、期待される役割を果たすべきである。
以 上

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