九州弁護士会連合会の定期大会に出席して
理事 高橋 智
本年度の九州弁護士会連合会定期大会は、平成14年10月25日、熊本市において開催され、理事の富川(旭川)と私が出席しましたので、以下の通りご報告します。
シンポジウム
大会の午前中には、シンポジウム「川と海を考える」〜環境保全と住民参加〜が開かれました。九州では有明海や八代海の汚染、川辺川ダムの建設の是非等、川と海をめぐる環境問題が大きくクローズアップされていることは、遠く北海道に住む我々も知るところではありますが、この問題をシンポのテーマにして選び、専門家を多数パネリストに迎えて、熱心な議論が行われました。
公害環境委員会が実際に現場まで足を運んで調査した結果が180pにも及ぶ分厚い報告書にまとめられており、とても感心させられました。
パネリストの数が多く、ディスカッションに入る前のパネリストからの報告などに時間をとられ、ディスカッションが行われたというより、各パネリストの意見を伺ったという感じは否めませんでしたが、出席した専門家の発言には感銘を受けました。印象に残ったものは以下の通りです。
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元神戸大学教授・山村弁護士
水系は人間に例えるならば、血管と同じである。血管の中を血液が巡って、身体の健康が維持されているのと同様に、流域の開発が進んで血管にストレスを与えると、血液がおかしくなり、身体全体に健康が害されることになる。
現在の環境アセスメントは、行政が案を作ってから住民の意見を聞く方法になっているが、これでは行政の作った案はなかなか変えようがない。案を作る前に、住民参加手続きを取り入れなければ意味がない。
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名古屋女子大学教授・村上哲生助教授
河口堰の問題を考えるためには、客観的データを集め、科学的な分析をすることが、回り道のようだが、必要不可欠なことである。
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毎日新聞・福岡賢正氏
住民参加には情報公開は不可欠である。情報公開なくしては、効果的な住民参加を行うことができない。行政側は、ダムを造った場合のメリットの説明は十二分に行うが、ダムを造った場合のデメリットについては説明しようとしてこなかったし、情報も公開しようとしてこなかった。
大会宣言・決議
午後からは宣言案・決議案の討論と採択が行われました。
先に紹介したシンポジウムで取り上げられた問題に関し「危機に瀕した有明海・八代海の環境保全と再生に向けた宣言」が採択されました。
このほか、「ヤミ金融撲滅を目指す決議」と「法科大学院の地方配置を求める決議」も採択されました。
いわゆる「ヤミ金融」の問題は、我が道弁連定期大会でも取り上げられましたが、九州全土でも「ヤミ金融」の問題は愁眉の問題となっているとのことでした。提案に先立って、依頼者が弁護士事務所からヤミ金に電話をした際のテープが紹介され、契約の際職場友人関係などありとあらゆる電話番号を書かせ、滞るとその電話番号を利用して激烈な取り立てが始まる等、ヤミ金のリアルな実態が紹介されました。
そして、ヤミ金に対しては、暴利行為などを理由として、元本も含めて返済をしない方針を確立するという決議がされました。
法科大学院問題に関しては、法科大学院を九州大学のみならず、熊本、鹿児島、琉球の各大学にも適正に配置することや、ロースクールに通う学生の経済的負担を軽減すること、いわゆるバイパスルートは限定的なものとすることなどを盛り込んだ決議案を議論しました。
討論では、鹿児島県弁護士会の会員から、南九州における地域法曹の担い手としての鹿児島大学に法科大学院の設置を実現すべきであるし、その見地から全面的にロースクール運営に協力していくという決意が表明されるなどして、賛成多数で採決されました。
懇親会・懇親テニス
その後、午後から熊本の法曹関係者が多数参加して、懇親会が開催され、盛会の内に大会は終了しました。
なお、私は、大会前日に行われた懇親テニス大会に出席させていただきました。Aクラスで3回戦まで1位だったのですが、決勝で、1位4位対2位3位対決が行われ、敗退し、結局3位でした。残念ながら、優勝はできませんでしたが、九州ナンバーワンの金弘選手に奇跡的に勝てたことが一番の思い出になりました。来年の道弁連大会の懇親テニスに九州の弁護士の方々が多数参加してくれて、交流を深めることを期待しています。
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