「公的付添人制度」の実現へ向けて議論白熱!
札幌弁護士会 子どもの権利委員会
副委員長 内 田 信 也
毎年恒例になっている日弁連子どもの権利委員会主催の「北海道ブロック連絡協議会」が去る2月15日に札幌で開催された。
今年は、司法制度改革の中で「公的付添人制度」を如何に実現するか、が重要なテーマとなっているため、函館・旭川・釧路の各弁護士会からの出席を得て、集中的に議論をした。
成人刑事事件では起訴後に国選弁護人制度があるが、少年事件の場合は、成人の場合と同じような「国選付添人制度」がない。司法制度改革審議会意見書と公的弁護制度検討会では、被疑者段階での公的弁護人制度(成人および少年)の実現へ向けて積極的な議論がなされているが、公的付添人制度については、かなり消極的な議論状況であることが明らかになり、このままでは公的付添人制度の実現が危ぶまれる。
公的弁護制度検討会での学者・法務省・最高裁判所の見解は、「少年事件の場合、否認事件は別として、事実に争いがなく要保護性だけが問題となる事案がほとんどを占めており、家裁には家裁調査官がいて科学的・専門的に判断してくれるので、付添人を敢えて公費で付けるまでの必要はないのではないか」というのである。
これは、付添人の本質を理解しない「驚くべき無知」である。調査官はあくまでも家庭裁判所の人間であって、少年のパートナーではない。調査官とは別の観点から、少年の要保護性に光をあて、少年の可能性を見つけ出すのが付添人の真骨頂である。少年の話をじっくりと聞いて共に悩み、就職先を見つけてきたり、親子・学校等との調整役を引き受けたり、更には被害者の苦しみを聞いてそれを少年に伝えることにより少年の成長を促したり、やることは無限大にある。しかも、そのほとんどは調査官ではできない分野ばかりなのである。この付添人活動によって集めた情報を裁判所に伝え、裁判官・調査官と議論することにより、少年の実像が立体的に浮かび上がり、より効果的な処分の実現が可能になる。
このような基本的で本質的なことを公的弁護制度検討会の委員が知らないというのは実に情けないことである。
日弁連は、全力をあげて、公的弁護制度検討会の委員の啓蒙をはかり、議論状況を変えていかなければならない。そうしないと、被疑者段階では少年に公的弁護人がつくが、家裁送致(成人であれば起訴)になったとたん、弁護士付添人はいなくなる、という妙な制度になってしまう。少年にもせめて成人と同じだけの人権保障をするのが、「文化国家」というものであろう。それが、どうもこの国では怪しいのである。
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