理事長就任のご挨拶

 

理事長 向井 諭

北海道弁護士会連合会

 

理事長写真

 平成20年度北海道弁護士会連合会の理事長に就任致しました。この一年間、前田健三、三木正俊副理事長及び米屋佳史常務理事をはじめ、道内四会選出の理事及び各委員会の皆様のご協力を頂き、道内四会が北海道に暮らす人々への法的サービスを提供し、また社会的活動を行うに当たり、よりよい活動ができるように連携し、運営していきたいと考えております。

 さて、申すまでもなく北海道は、豊かではありますが厳しい自然の中にあり、かつ広大です。このため弁護士過疎は、北海道に生まれ育った者としては避け難い現実と思います。しかし、私共、北海道の弁護士は、広大な土地を駆け回り、少しでも多くの人の法的な悩み、あるいは紛争の解決に手を差し延べなければならない使命を負っていると思いますし、それは道内四会の会員に共通する認識でしょう。近時の司法改革の目的の一つは、社会の隅々まで法の支配を行き渡らせることがあります。道内四会の皆様のご努力により弁護士過疎も少しずつ解消してきましたが、近時は日弁連のひまわり基金法律事務所、道弁連のすずらん基金法律事務所、法テラスのスタッフ弁護士の配置によって過疎・偏在の解消が進みつつあります。これまでに、11ヶ所のひまわり基金法律事務所が開設し、4ヶ所の法テラス地方事務所にスタッフ弁護士が配置された結果、総ての地裁支部に弁護士がおり、そのうち弁護士が1人しかいない支部も4ヶ所を残すのみとなりました。もし、弁護士が身近にいないことによって権利の救済がなされず、正義が実現されずに苦しみ、悩んでいる人がいるということは、まさに人間としての悲劇です。そのような人を一人でも少なくすることは、ただその人を救うことになるだけではなく、その地域に住む人に安心と安全を与えることになり、ひいて地域の活性化に資することになると思います。そのための道内四会の活動に連携し、できるだけの協力をすべく努力する考えです。ところで、道弁連の皆様のご協力で運営されております、すずらん基金法律事務所は、既に5人の弁護士を道内各地のひまわり基金法律事務所に派遣しておりますが、今年も1人の弁護士を派遣する予定であり、さらに同事務所で養成された弁護士が室蘭市で独立開業することになり、道内の弁護士過疎の解消に大きな力となっております。ところで、その財政的基盤となっております「すずらん基金」への会員の皆様からの拠出は、来年6月で期限が到来します。今後、このすずらん基金への拠出をどのようにするかということは大きな課題です。この点につきましては、昨年度発足しました司法過疎対策PTで調査、検討中ですが、その最終報告を元に皆様方と今後議論していかなければならないと考えております。

 また、来年から被疑者国選事件の大幅な拡大と裁判員裁判が始まります。国選事件の大幅拡大には、それを担う弁護士が必要です。この広大な北海道では、留置施設や裁判所を文字通り駆け回らなければならないことにもなるでしょう。大変な仕事です。でもそれは、まさに人権を守る弁護士の使命ですから、やり遂げなければなりません。道内四会では、それぞれの地域の実情に応じて対応策を検討していると存じますが、各弁護士会に、これまでにない負担がかかることになるでしょう。このような実情に対し、道弁連としては各弁護士会と連携し、情報を交換し、少しでも各会が運営しやすいような環境を作っていきたいと存じます。また裁判員制度は、刑事裁判の様相をこれまでにないものに変えることになると思います。各会では法曹三者模擬裁判を行い、また各種の研修会等を通じて、準備をしているものと存じますが、法廷弁護技術研修会など、共同して行うことのできる研修会などを研修委員会と協議しながら実現していきたいと思います。また、これまであまりテーマに上がらなかった裁判員裁判の判決後の、控訴審での刑事実務の運営を検討するために、道弁連に刑事弁護連絡協議会を設置し、今後の控訴審での課題について検討をはじめたいと考えています。

ところで、今年度の道弁連大会は、7月25日に、3年ぶりに札幌で開かれます。そのシンポジウムのテーマは「北海道における弁護士過疎解消策の成果と今後の展望―すずらん基金法律事務所の果たすべき役割」で、北海道に住む人々が直面している弁護士過疎の問題を正面から取り上げ、その将来への展望を考えるという、道内の弁護士だけではなく、多くの道民の方々をはじめ、関係する自治体、企業にとっても有意義なシンポジウムになるでしょう。多くの会員、関係者の方々の参加をお待ちしております。

 理事長としての任期は一年ですので、多くのことはできないかもしれませんが、北海道に暮らす人々のため、また道内四会の弁護士の皆様のために少しでもお役に立てるよう頑張りますので、この一年間、ご支援、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

◇就任あいさつ
向井 諭
前田 健三
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