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寄稿

北海道弁護士会連合会 電話相談事業開始のご報告

高齢者障がい者支援委員会 副委員長  平井 喜一
(道弁連会報 2010年9月号)

  1. このたび、道内4会が連携しての高齢者・障がい者電話相談事業である、「北海道弁護士ホッとライン」が8月2日よりはじまりました。
    相談開始までの経緯や開始当日の模様等については、道弁連高齢者障がい者支援委員会委員の関口和矢弁護士の報告に詳細が記載されておりますので、ぜひお読み下さい。
    私からは、電話相談事業の概要、意義、今後の当委員会の課題等について報告させていただきます。
  2. この電話相談事業は、各会常議員会の承認を経て、平成22年5月29日道弁連理事会にて協定締結が承認された、道内4会の連携事業です。
    電話相談の拠点は札幌弁護士会館におき、事務局を経由せず弁護士が直接、高齢者・障がい者本人、その家族、あるいは福祉関係者、行政担当者等の生活支援者からの電話相談に応じております。
    毎週平日月曜日の午後1時から3時までの2時間、2名の弁護士が相談を担当しております。
    電話相談の結果、電話のみで解決できず、弁護士との面接相談が相当と考えられる事案について、相談者も面接相談を希望される案件については、事務局を通じてその相談者の地域を管轄する弁護士会に情報提供がなされ、対応する弁護士会が相談者に相談担当弁護士を紹介することになっております。
    相談担当者の配点、相談料や出張相談の基準等については、統一基準を設けず、各会の運用に委ねることとしております。
    電話番号は、「011-251-7707」、道弁連のホームページは、以下のとおり(http://www.dobenren.org/ guid/hot_line.html)です。各会のホームページにはバナーが設置されており、アクセス可能となっております。
  3. この電話相談事業については、8月から10月までの3カ月間については、日弁連との共催となっておりますので、函館会選出の日弁連委員である私から日弁連の活動について報告させていただきます。
    日弁連からは、この電話相談事業について「モデル事業」の指定を受けており、広報関係の支出(チラシやホームページの作成等)について援助を頂いております。また、開始日である8月2日には、記者会見や記念講演のために、委員の派遣を頂いております。
    日弁連では、高齢者・障がい者のための電話相談について、担当委員会である日弁連高齢者障がい者の権利に関する委員会がこれを推進しておりました。
    そして、平成21年には、高齢社会の急速な進行に対する弁護士会の対応態勢の強化を目的に、前記委員会とは別に、前記委員会や日弁連法的サービス推進センターをはじめとする関連委員会と連携した新たな組織である日弁連高齢社会対策本部が設置されました。日弁連高齢社会対策本部では、平成21年12月の鳥取県弁護士会を皮切りに、全国各地の単位会と共同して、高齢者問題についての弁護士の新たな取り組みを展開しております。日弁連高齢社会対策本部では、この新たな取り組みの成果を検証し、各地に広めることを目標としており、この事業を「モデル事業」と称しております。
    今回の電話相談事業は、単位会同士がブロックで連携することで、広域での電話相談を実施したケースとして、モデル事業に指定されております。
  4. この電話相談事業の意義は、もちろん、まず第1に、高齢者・障がい者の権利擁護に資することにあるわけですが、私見では、それ以外に注目すべき点として、司法アクセスの改善と弁護士会の社会に対するPRの2点があると考えております。
    高齢者・障がい者が抱える悩みについては、ちょっとした問題から弁護士のアドバイスが必要不可欠なものまで様々ですが、高齢者・障がい者は、一般の方と比較して、々睥霄圈障がい者ご本人自身が、問題の重要性について必ずしも気づいていないことがままあること、高齢者・障がい者の周囲の方が、ご本人の問題に気づいていたり関わりをもっているケースが少なくないこと、Lい生亀い米發鵬魴茲靴討いた方がよい問題(遺言はその典型例です。)があること、といった理由から、早期の法律相談実施が問題解決のため重要であると考えます。
    ところが、高齢者・障がい者にとっては、に[Я蠱未防襪ことへの負担が健康面から大きく、加えて、ニ務て擦砲いては、地理的要因や気象条件からも、その負担が相当大きい場合があります。
    また、法律相談については、ご承知のとおり、自治体の相談や臨時のイベント等を除いては、原則有料となっております。
    法テラスの扶助相談を利用することで、相談料が無料となることは可能ですが、資力要件の関係や、本人ではないという問題から、家族の方はこれを利用できないことがままあり、生活支援者の方は、これを利用できないことがほとんどです。
    この電話相談事業は、こうした問題点を解決するための第1歩となるものです。
    そして、このようなツールを弁護士会が用意し、社会に提供することは、公益にかなうことであり、高齢者・障がい者問題における弁護士会の知名度と評価を高める、すなわち弁護士会の広報活動としての意義をも有するものと思料します。
  5. 弁護士会内における意義としては、小規模会において常設の専門電話相談を実施することができたことがあげられます。
    電話相談実施のためには、当然ながらそのための電話回線(留守番電話付き)が必要となり、また、相談票を整理し、担当弁護士につなぐ事務局が必要となります。相談担当者には日当を支払う必要があります。電話相談をやっていることについてPRする広報活動も重要です。会員数の多くない単位会では、会員が手分けして国選弁護活動や各種の法律相談担当、多くの会務活動に取り組んでおりますが、これらの重要な活動と並行して、高齢者・障がい者問題に取り組む弁護士を相談担当者として常時確保することは、相当困難です。
    小規模会が専門の電話相談を常設することには、人的・物的基盤の両面で、このような高いハードルがあります。札幌弁護士会のご尽力で、札幌弁護士会を相談拠点とし、事務局態勢と相談担当者を確保していただいたことで、旭川弁護士会・釧路弁護士会・函館弁護士会は、これらのハードルを乗り越えることができました。
  6. 今後については、道弁連高齢者障がい者支援委員会では、電話相談の実績について分析し、運用面の改善に努めていく予定です。
    また、高齢者問題、障がい者問題についての知識を深めるための研修活動についても、今後も取り組んでいきたいと考えております。
    道弁連会員の皆様方におかれましては、今後とも、北海道弁護士ホッとラインの広報活動についてご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

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